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最新動向

本当に宿泊施設不足なのか? - 民泊解禁の影響

 2017年1月の最新動向でもご紹介しましたが、外国人観光客の増加に伴い、宿泊施設の不足が懸念されるニュースを良く目にします。新たに6万室国内ホテルが開業しても、全国で4.4万室の客室が不足するという数字も出ています。

 その不足を解消する策として期待されている民泊は、全国で4万件を突破したことを前回ご紹介しました。今後も民泊物件数は増加すると言われており、2017年10月には6万件を突破するという予測が出ております。
  

 『2020年 訪日外国人4千万人』を達成するという政府目標がありますが、前述の通り2020年までに新たに国内ホテルが6万室開業予定となり、計画未公表のホテルやゲストハウスなどを含めると、さらに多くの供給があると考えられます。日本人の延べ宿泊者数が現在と不変なら、これらのホテルや宿泊施設の開業により、89百万人の訪日外国人の受入れが可能と試算する専門家もいます。つまり、現在見込まれているホテル供給計画等で、当面のホテル需要目標のかなりの部分をまかなえる可能性があり、ホテルや民泊供給の多い都市では、民泊解禁が宿泊施設の過剰をもたらす懸念があるというのです。
 みずほ総合研究所が発表したレポートでは、2020年に宿泊施設が不足するのは東京都(▲4,294室)・近畿エリア(▲19,711室)だけで、他エリアは不足しないという予測データも出ています。新たな宿泊施設が参入するエリアや数によっては、予想以上に過剰供給になることも十分考えられ、民泊にとってはホテル以上の価値を提供できなければ生き残れず、ホテル従業員の賃金引下げやサービス低下など、宿泊事業全体に悪い影響が出ることも懸念されます。

 観光立国を目指すには必要な民泊ですが、新法導入後の民泊参入数によって宿泊施設不足については見解が変わる可能性もあり、今後の動向は注意深く見ていく必要が有ります。